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「うん。負けちゃったけどね」
「最初は普通に見つからないように隠そうと思ったんだけどさ、倉じいがサインボールを持ってきたときにピーンとひらめいたんだよね」
最初から黒く塗る作戦を用意してたわけじゃないんだ。
私たちが捜査会議を開いている間の泥棒チームがどんな感じだったのか、ダイジェスト版みたいなものがあったら見てみたい。
「次は負けないよ」
「あたしだって。そうだ、次の種目は莉亜が考えてよ」
「え、無理だよ。こういうのはカナンが適任だって」
「いやいや、莉亜だったらきっとあたしが思いつかないような楽しい遊びを考えてくれるって」
その期待には応えられる気がしない。
ただでさえ遊ぶのが得意じゃないのに、オリジナルの遊びなんて作れないよ。
「私は部屋に戻るけど、カナンはもう寝る?」
すぐに私の部屋の前に着いて、とりあえず一度別れることにする。
疲れたってわけじゃないけど、明日も仕事だし、今日はもうゆっくりしたい。
「んー、全然眠くないからしばらく起きてる。莉亜は?」
「私は少し休んだら寝るよ」
「そっか。ねぇ、次の遊び、本気で考えてよ」
私たちはそう簡単には解散にならない。
私の部屋の前で立ち話をすることもしょっちゅうだ。
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