第27話 夏の力

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 カナンからすれば、私が参加することなんて言うまでもないことなんだろう。  私だって最近はそう思うようになったけど、今回は会話の入り口がいつもと違っていた。 「水着、私も買うんだよね?」  それでも私が誤解したのは、プール自体にあまり乗り気じゃないからかもしれない。  以前からプールとか海の話題は出ていたけれど、私はなるべくそれが盛り上がらないようにしていたのだ。 「莉亜も持ってないなら!」  これはもう逃げられそうもない。  別に断固としてプールを拒む理由はないし、覚悟を決めよう。カナンと遊びに行くことは全然嫌じゃないのだから。  私が水着を持っていないことを伝えると、カナンは嬉しそうな顔を見せて立ち上がって、玄関のほうへ向かって行った。  明日の予定が確定した瞬間だった。  一人になった私が再びアイスを食べ始めると、少ししてカナンが戻ってきた。  四季(しき)さんに明日の予定を聞いてきたようで、無事に車を出してもらえることになったそう。 「じゃあ、明日はよろしく」  この笑顔は反則だよなぁ。  こんなまぶしい笑顔を見せられたら断れないよ。  そんなわけで、夏本番を迎えて早々、夏らしいイベントが始まるのだった。  いや、明日はその前段階か。
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