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カナンからすれば、私が参加することなんて言うまでもないことなんだろう。
私だって最近はそう思うようになったけど、今回は会話の入り口がいつもと違っていた。
「水着、私も買うんだよね?」
それでも私が誤解したのは、プール自体にあまり乗り気じゃないからかもしれない。
以前からプールとか海の話題は出ていたけれど、私はなるべくそれが盛り上がらないようにしていたのだ。
「莉亜も持ってないなら!」
これはもう逃げられそうもない。
別に断固としてプールを拒む理由はないし、覚悟を決めよう。カナンと遊びに行くことは全然嫌じゃないのだから。
私が水着を持っていないことを伝えると、カナンは嬉しそうな顔を見せて立ち上がって、玄関のほうへ向かって行った。
明日の予定が確定した瞬間だった。
一人になった私が再びアイスを食べ始めると、少ししてカナンが戻ってきた。
四季さんに明日の予定を聞いてきたようで、無事に車を出してもらえることになったそう。
「じゃあ、明日はよろしく」
この笑顔は反則だよなぁ。
こんなまぶしい笑顔を見せられたら断れないよ。
そんなわけで、夏本番を迎えて早々、夏らしいイベントが始まるのだった。
いや、明日はその前段階か。
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