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「美徳、またぼーっとしてる。」そう言いながら顔を覗き込むのは友達の香苗だ。
美徳「ごめんごめん。またあの子を思い出して。」香苗には彼女のことを以前話したことがあった。
香苗「あぁ。あの女の子。、、、それも気になるかもしれないけどさ、美徳にはもっと気になる男の子がいるでしょ?」
そう言いながら香苗は目線を動かす。
香苗「同じクラスの立石君。爽やかで優しいし、頭もいいよね。」
美徳は恥ずかしがりながら顔を伏せる。
美徳「ちょっと止めてよ。」
香苗「いいでしょ。これでも応援してるんだから。」
そう言いながら香苗は笑顔になる。
立石「美徳、次の授業当たるからノート見せてよ。」
美徳「しょうが無いな。1回50円だよ。」
立石「高い。」
2人がじゃれ合うと香苗は「お邪魔しましたー。」と自席へ帰っていった。
すると、立石は美徳に顔を近づけ、こそっと話しかけた。
立石「なぁ。今日放課後暇?」
美徳「どうして?」
立石「ちょっと付き合ってほしいところがあるんだけど。」
美徳「別に良いけど、、、」
美徳はそっけなく返事をする反面、とてもドキドキしていた。
「急に話って何。めっちゃ気になるんだけど、、、、、、!」美徳は放課後まで気が気じゃ無かった。
放課後になると、2人は一緒に校門を出る。
美徳「ねぇ、どこに行くの。」
立石「とっても良いところ」そう言いながら、立石は屈託のない笑顔を見せる。
しばらく歩くと、そこには神社の鳥居があった。
美徳「ここ、、、、、、?」
立石「いや、まだ。」そう言いながら、立石は美徳の手を引っ張ってどんどん階段を上がっていく。途中から階段はなくなり、山道を歩いていく。でこぼこ道を登っていく中で木の枝や葉っぱが美徳や立石の体に引っかかる。
美徳は幸喜から恐怖へとドキドキが変わっていく。
美徳「ねぇ、、、、、、。本当にどこに行くの?」
その問いかけに、立石はとうとう答えない。
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