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美徳と立石はどんどん上へ向かっていく。どんどん、どんどん、どんどん、、、、、、。
急に立石が立ち止まった。美徳は「立石、、、?」と恐る恐る声を出した。
振り返った立石は、笑顔だった。
立石「美徳、この場所知ってる?」
美徳「、、、、、、。ここ?はじめてきたけど、ここどこなの?」
立石はまた黙り込む。その8月20日からだった。毎日のように、立石は美徳を連れて神社の奥に入っていくようになった。美徳が部活の日は帰りを待ち、手を引いて神社の奥に入っていく。そして同じようにまた「この場所知ってる?」と聞くのだった。
香苗「ねぇ、美徳。最近立石とめっちゃ仲良くない?いつも一緒に帰ってるでしょ?もしかしてとうとう付き合った?」
香苗はニヤニヤしながら聞いてきた。
美徳「付き合ってないよ。」
美徳は浮かない顔をした。
美徳「本当に、付き合ってない。只、毎日のようにあの神社のようなところにいって、何もしないけどただあそこに佇むだけだ。あれは一体何なんだろう、、、。立石に何度聞いても答えてくれないし、、、。」美徳は考え込み、
立石をちらっと見る。
美徳「立石は、学校では普通だ。私が今までずっと見てきた立石だ。でもあの神社に行くときだけ、誰だかわからない人に手を引かれてるような気持ちになる。」
美徳は不信感と恐怖を感じていた。
放課後ー
部活の後、部員たちがゾロゾロと帰っていく。
香苗「美徳ー、お疲れ様。帰らないの?、、、あ、今日も立石が待ってるか。」
美徳「うん、、、」
そしてまた、立石は美徳の手を引っ張って校門を出ていくのだった。
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