金曜の夜

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 すると由宇がナイトテーブルの引き出しからコンドームを取り出すと封を開いた。「嵐山さんの為に買ったのよ、恥ずかしかったわ」そう呟きながら先端の空気を抜くと形を変えたそれの根本まで被せた。 心の声C(ご、ご奉仕されているーーー!) 心の声A(も、もう駄目、出そう) 心の声B(だっ駄目ですよ!) 心の声D(あーー気持ちええわぁ)  初めての行為に嵐山龍馬が慄いていると由宇はそのまま根本を持って中へと導いた。萎びかけたものに力が(みなぎ)った。 「あ、嵐山さん」  その腰の動きは嵐山龍馬を翻弄し極限近くなるとそれは半ばまで抜かれて焦らされた。抜き差しされる度に響く淫靡な音、それを聞いているだけで目眩がした。何度繰り返されただろうかそれは突然抜かれ由宇がベッドに横たわった。 「挿れて下さい」 「ゆ、由宇さん」  嵐山龍馬は膝を抱え上げると腰を思い切り奥へと押し込んだ。 「んっ!」  眉間に皺を寄せた由宇は「ゆっくり、ゆっくり動いて、ね」と声を掛け、2人は前後にゆるゆると腰を振った。 「き、気持ち良い」 心の声一同(あーーーーなんやこれーーーたまらーーん)  波のように寄せては返す快楽、思わずそんな言葉が転げ出た。これまではただ衝動のまま奥まで突き射精していた。 「ん」 「ゆう、さ」  緩やかな刺激も繰り返されると流石に極限が訪れる。先端に集まった血流はそれを外に押し出そうと今か今かと待ち構えていた。これには耐えきれず苦悶の表情を浮かべると由宇自らが腰を振り始め下腹を嵐山龍馬の陰部に擦り付けた。 「ちょっ、由宇さん」  由宇の呼吸は荒く身体全体が熱を持ち恍惚の面差しで嵐山龍馬の腰に脚を絡み付けた。 「んっ」  絶頂を迎えた由宇の爪先は開き切っていた。 心の声一同(あ、あかん、もうあかーーーーん!)  由宇の中で締め付けられた嵐山龍馬は腰を奥まで突き出すと下半身を震わせてコンドームの中に白濁した体液を放った。 心の声一同(あっちゃーーーー!出てもうたやーーん!) (また、15分か)  嵐山龍馬は肩で息をした。由宇はコンドームが体内から抜かれる感触に一連の行為が終わってしまった名残惜しさを感じた。 「ねぇ嵐山さん」 「はい」 「今、何時何分」 「2時55分過ぎです」  事後処理をする嵐山龍馬の背中に由宇は指先で大きな丸を描いた。 「嵐山さん、もう15分じゃないわよ。私も大満足、最高だわ」 「えっーーーー」 「2時05分にキスをしたの」 「えっ、まさか測ってたんですか!」  嵐山龍馬は驚いた顔で時計を二度見した。 「20分以上、細かく言えば25分よ、おめでとう」 「そっ、そう!」 「奥さまたちにも問題があったんじゃないの?」 心の声A(苦節ん十年、長かった!) 心の声B(やりましたね!) 心の声C(頑張った甲斐があった!) 心の声D(ーーーーもう一回したい) 「由宇さん、良いですか」 「勿論よ」  2人はそのままベッドに倒れ込み、コンドームの空袋は合計3個となった。
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