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差し出した紙は元妻と離婚した事を証明する為に取得した世帯全員の住民票謄本だった。それを受け取った由宇は頷いた。
「おめでとうございます、離婚成立ですね」
「ありがとうございます」
「ようやく所在が明らかになりまして」
「よかったですね」
「印鑑の捺印、面倒臭がられたんじゃないですか」
嵐山龍馬の視線が左右に泳いだ。
「あーーーーーーそれは」
「あ、そういう事ですか。さいざんすか」
微妙な空気が漂い次の言葉が何処かに吹き飛んでしまった。
心の声A(どうするよバレたぞ)
心の声B(バレたもなにも、もう3回って言ったじゃないですか!)
心の声C(ほんっと馬鹿だよな、馬と鹿に謝れって)
心の声D(きっと想像してるぞ、あんな事やこんな事)
心の声E(てへ♡)
心の声一同(一生、尻に敷かれる事間違いなし!)
すると由宇はチェストの棚を開けて見覚えのある薄茶色の枠が印刷された紙を取り出した。
心の声一同(あーーーーーーー!終わりだ!)
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