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『A,B,C,D,E,Fの6人が1列に並ぶとき,AとBが隣り合う確率を求めよ 』
ん~……
最初の問題から手が止まる。
実はAとBは恋人同士で、AはCがBの隣にいることに嫉妬して、DとEと結託してBとCが隣になることを阻止……
って、そうじゃな~い!
確率……確率……やばいやばいやばい!
もう求め方なんて忘れてるよ!
どうしよう⁉
私は軽くパニックを起こし、ペンを握る手がジワジワと汗ばんできた。
つ、次の問題……ダメだ。
次は……次……
あぁ、もう全部わかんな~い!
どうしよう……
私は頭を抱える。
「終了~」
イケオジ先生の合図と同時に終業のチャイムが鳴った。皆、深いため息を漏らしながらペンを置く。
ごめん、姫花。
数学0点かもしれない……。
あぁ、せめて勉強するだけの時間が一日くらいあれば……。
こんな事態になることなんて、神様以外の誰も予想し得ないことなはずなのに、的外れな後悔をする。
私は、項垂れながら真っ白な解答用紙を回収係に手渡した。
「ムズかった」「ヤバ~い」「俺、赤点確定だわ」などと、クラス中がざわついている。
あんなにいつも姫花に勉強しなさいって厳しく言っておきながら、さすがに0点っていうのは不甲斐ないよなぁ……。
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