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私は明日に備えて眠気を取り戻すために、冷蔵庫から、いつ開けたのか定かではないワインボトルを取り出すと、そのまま直接口をつけ、ゆっくりと喉に流し込んだ。
今から寝たら、6時までまだ5時間くらいは寝られるかな…。
仕事のことが頭に浮かんだ途端。
急に明朝会社に行くのが億劫になった。
もういいや。
明日は思いっきり寝坊してやろう。
まだ有給だいぶ残ってるし…、私だってたまには休みを取ってもいいはずだ。
そう思い直して、6時にセットしていたスマホのアラームを解除。
そして会社に仮病の電話をかけるため、新たに8時50分にアラームをセットして布団に潜り込んだ。
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翌朝。
会社勤めの哀しい性か、アラームが鳴らなくても、いつも通りの6時に目が覚めてしまった。
そうなると仮病の言い訳を考える気力も失せ、会社に電話をかけるのもめんどくさくなってくる。
結局私はいつも通りに出勤することにした。
7時にマンションを出て電車に乗り、8時過ぎに会社に着く。
ここ数年変わらない、毎朝のルーティン。
自席のある3階までは、エントランス正面にあるエレベーターには乗らず、階段で上がる。
3階のフロアは、私が出勤するこの8時の時間帯だと、大多数の社員はまだ来ていない。
“彼もまだ来ていない…よね”
ドアの横にある課員の行き先を表示するホワイトボードに貼られた彼のマグネットの名札の横には不在のプレートが貼られたままだ。
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