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   先端のくびれまで挿れ終わったところで、尻を両手で掴まれた。何かと思っていると、ポンッと音を立てて抜かれていくちんこ。挿れようとしてたのに、何か不快なことがあったのだろうか?内心焦って目の前のコイツと目を合わせた。 「なんで…」 「おい、お前マジでどう言うつもりだ…?」 「何がだよ…」  コイツも目を細めて、探るように俺に目を合わせた。 「子供つくりてーのかよ」 「…は?」  「避妊しねーの?コンドーム使わねーのかって。このままぐいっと入れるか?」  子供って…。そっか、俺子供つくれんだ…オメガだから…。ハッと我にかえった。アイツの手によってちんこが穴にあてがわれる。子供は無理だ!仕事もできないおろか育てる自信なんてないし、こんなんが父親だったら…。 「うっ、やめ!」 「あっ!お前もしかして…」  俺の顔はすっかり赤に染まっていた。発情して熱を持っていたのもあるが、単純に避妊を忘れていて恥ずかしかったから。そして、発情して俺の奥はすっかりこいつのちんこを欲しがっていた。 「俺の女房になりてーのか?ハハッ…」 「っふざけんな…!」 「はいコンドーム。つけてみろよ」  目の前に出されたコンドームを荒々しく受け取って封を切る…。が、どこから開けていいかわからなかった。性行為したことなかったからだ。そっち方面のことに興味もなかったし、忙しかったししたいとも思わなかったから。性行為はコイツに強姦されたのが初めてだった。  封は開いたものの、なかなかちんこにはめることは出来ない。ぐいぐいと半分無理矢理にはめようとするが、そううまくいかない。コンドームと格闘する俺の姿を黙って見ていた朔夜だが、痺れが切れたようだ。 「…何してんだ?」 「うまくいかない…」 「…、こっちこい」  俺の腕を掴んで自分の横に座らせた。床の木の板が冷たかった。クソヤクザは俺の肩を組んで説明していく。 「ほら、裏と表をよくみろよ。ゴムを巻いてんだから逆に被せたらできねーだろ?巻いてる方が外側に来るようにして、先っぽを押さえてクルクルクル〜。なっ?お前がもう一回やってみろ」 「…。」  もう一度先端にコンドームをあてがって、くるくると下へと巻いていく。確かに、裏表を逆にしなければ先ほど朔夜が実践したようにすんなりとはめることができた。裏表を間違えるなんて、恥ずかしい。もじもじとしながらもゆっくりと手を動かす。  そしてそんな昊を、横から朔夜がみていた。 (こいつ…マジで外で孕まされて帰ってきそうだな。26にもなってコンドームの付け方もしらねーとは…。自由に出歩かせていいのか…?)   こんなことを朔夜が思っていたなんて、昊はきっと知るよしもないだろう。 「できた」 「おっ、よくやったな」 「おいやめろ!」  やっとできたと思って昨夜に声をかけると、子供を褒めるかのように頭をガシガシと撫でていった。 「さぁ元の位置に戻れ」 「あっ!」  また腕を引かれ、さっきまでの馬乗りするような形になる。クソヤクザとは同じ目線だ。数秒間、お互いなんとも言えない気持ちで目を合わせた。朔夜が舐めるようにじとりと全身をみる。上半身はシャツで隠れているし露わになっているのは足だけだけど。 「なんだお前、かまととぶってんのか?」 「何言ってんだよっ」 「いや、だってありえねーだろ…」 「??」 「かまととぶってんだったらそんな必要ねーぞ。俺は激しいのも好きだから」 (だろうな…) 「なんだよその顔。睨んでるのか?お?とにかく続けろ、さっきしてたの。このままだと俺のちんこが凍死しそうだ。」 「…。」  尻とぎゅーっと掴むと、自分のちんこを尻の方に寄せてペチペチと叩いた。ついにだ、ついに来てしまった。俺は確かにいま発情しているが、完全にしてるわけじゃない。いつもの発情期と同じでなんかちょっと熱っぽいだけ。大抵は薬で抑えていたから別に問題はなかった。  頭を垂れてまたあいつのちんこを自分で窄みにあてがう。改めて直に触ったこいつのちんこは熱くて、もっとドクドクしていて…。ドキドキする。それは高揚したりするときのドキドキじゃなくて、汗が垂れて緊張と眩暈でドキドキするときの、アレ。 (大きすぎる…) 「うっ…うぅっ…」  アルファのフェロモンが部屋全体に充満する。俺の不安を無視して、少しずつ、それは確実に俺の体内へと侵入を続けていた。カリが挿ってからはスムーズでぬぷぬぷと沈み込む。体内のひだにカリが進んでいくごとに柔い電撃が持続的に身体中を巡る。癖になりそうなそれに、またドキドキした。
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