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 このアルファは俺の尻の肉を掴み続けた。もう少しで抜けるんじゃないかと思うほど高く上がるときもあれば、入りすぎと言うほど下に推し進める時もある。その不定期さが俺をドキドキさせ、緊張させていく。何も考えられなくて、ただ与えられる快楽に顎を噛み締めて耐えた。早くイけばいいのにわざと遅くしてるのか知らないがまったくイかないコイツがもっと嫌になる。抜き差しのたびに声が漏れるのも自己嫌悪にしかならなかった。自分の声が他人の声みたいだ。 「うぁ゛〜っ……うん…っ!」 「痛がってはねーようだけど?」  さっきより一段と強く、そして早く下から突かれた。体が痙攣して目が霞む。酸素が足りない、息が苦しい、なんて思う暇はなくただただ気持ちよかったのだ。俺のオメガ性は歓喜に満ち溢れ、がくがくと痙攣していた。  最初は痛みを感じでいたが、今は痛みだけじゃない。痛みの中に微かに神経を優しく触られたような快感が残るのを、はっきり感じていた。  弱い電撃のような刺激がソコから全身に広がって、出したくもない喘ぎが口から飛び出す。 「あっ…ふかすぎ…っ」    朔夜は俺の首筋にキスをして、長いストロークをまた再開した。前よりも深く、入っちゃダメなところにぐりゅぐりゅと押し入れられる感覚に、どうしようもなく困惑して生理的な涙が落ちる。腫れのような、しこりの場所を擦られ、その衝撃で目の裏に星が飛び散り、自分のちんこから白濁をぴゅるりとだした。 「は、はぁーっ、はぁ……」 「息吸え」  快楽に耐えられず、後ろを使うのなんて初めてなのにあっけなくイッてしまったのだ。俺は背中に手を回し、爪をたてた。   「ったく人の腹に出しやがって…」 「っあ〜〜゛!まだ…!!」  腹側のある一点をおすと、今までとは比にならない快感が押し寄せる。イッた後で敏感になっていたのもそうだが脳がブザーを鳴らして警告をあげた。このままだと気持ち良すぎて死んでしまう。ゾクゾクする。体内が小刻みに痙攣し、こいつのモノを締め続けた。 「なんだよまだって」 「嫌、だ…あっ……!?」  またあそこだ。朔夜が狙ってカリでおしたのだが、そんなこと気づくわけなかった。 「お前さえ出したら終わりか?」  いきなり抜き差しのスピードが上がって俺の体内がちんこによって擦られてさらに熱をもつ。 「やめ、やめろってぇ゛…!!」     「っふは、」  やめろって言ったのにやめてくれない。もう気持ちいいの許容量がいっぱいだ。それからもう何回ストロークをしたか。こいつはまだイってないのに俺はもうだいぶ体力的にしんどかった。もちろん体位のこともあるが。  朔夜からのキスに応じて、最後の突きで朔夜もやっとイッた。体内のコンドームが膨らみ、熱を感じる。そしてそれを擦り付けるように奥へと押し付けた。  垂れたよだれも気にしてる余裕はなく、口から流れていき顎から落ちていった。頭の中にクエスチョンマークを多数浮かべながら朦朧としている俺と数秒見つめあった後、シャツを脱がされる。 「あぁっ…!?」  立場は逆転し、俺を持ち上げソファへと仰向けに体を沈み込ませてから、床に膝をつき上からソファに手をついて見下ろした。ちんこはもう抜けている。でもそいつのちんこはまだ勃っていた。 「っは、眺めがいいな」  また、中へと。次は正常位というものだ。そのままちんこを突っ込んで、またストロークを開始する。またあの快楽地獄が来ると言うのだろうか。それを分かってて抵抗しようとしても、力が入らなかった。  ふぅ、と自分の髪を息で吹き上げて視界をよくし、俺の腰を両手で掴んで突き入れる。とめどなく肉と肉がぶつかるパンパンと音が鳴り、俺が半分乗騎位でやってたときよりも早く、そして奥に入ってくる。勢いが早くて、少し戻りかけていた思考がまた中断される。  まじで死ぬ…そこで意識も中断されたのだった。
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