優しく頼れる存在

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 食事を終え、シャワーを浴びて寝る支度を整えた二人。  ここはギルバートが一人で暮らしている家なので、当然寝室は一部屋でベッドも一つしかない。  それに気付いたエリスは自分の寝床をどうしようか考えていた。 「エリス、ベッドはお前が使え。まあ、城のベッドと違ってあまり寝心地は良くないだろうが、そこは我慢してくれ」 「え……ですが……」  しかしギルバートから自身のベッドを使うよう言われたエリスは思う、自分がこのベッドを使うと、ギルバートはどこで寝るのだろうかと。  辺りを見回す限り、ベッドの代わりになる家具は無い。椅子を二脚合わせたとしても、ギルバートには小さくて寝られないだろう。  かくなる上はテーブルの上か、床くらいのものだ。 「あの、私がベッドを使ってしまったらギルバートさんの寝る場所がありませんよ?」 「俺は床で寝るから問題無い」 「ええ!? 駄目ですよ、床で寝るなんて」 「姫様には経験が無いだろうが、床で寝るくらい普通の事だ。仕事中は野宿だってあるくらいだからな」 「……それなら私が床で寝ます! だってここはギルバートさんの家ですもの、置いて貰っている私の方がベッドを使うなんておかしいです……」  そして、ギルバートの話を聞いたエリスは、それならば自分の方が床で寝ると言い出した。
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