《第3話》人に惑わされた堕天使

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《第3話》人に惑わされた堕天使

それはサタン復活の直後。 「おい!サタン!ようやくの復活か。」 1000年の時を得て開放されたサタンの元へ それを心待ちにしていたように 悪魔の軍勢を率いてやってきたのは 魔王 ベリアル。 「ベリアル!貴様なぜ助けなかった!」 同じ魔族として、さらに同等の魔王という 軍を率いる事が出来る貴族の位に居ながら 見捨てるように何もしてこなかったベリアル に対して怒りを顕にするサタン。 「そんなもの  もし、万が一私の顔に傷でもついてみろ。  それに人間ごときの結界を1000年も解けぬ  お前も悪いのだ。」 そんなサタンを余所に気位の高いベリアルは 高飛車な物言いであしらう。 「それよりも貴様のために  80の軍を率いてやったのだぞ。  私は皇紀で知的なのだ  確実な勝利しか好まぬ。」 魔族の中でも一番の軍事力を誇るベリアルの軍。 それはこのベリアルがリスクを嫌う性格で 常に確実に着実に計算高く 領土を広げてきたから為せる技。 「貴様と私ならそれが可能なものになるだろ  う。」 その軍事力にサタンのような膨大で強力な 力を持つ存在が加われば 地上、魔界、さらには天界までも手に入れれよう。 現に1000年前 天に捨てられたサタンは孤独だった。 天を治めれよう程の天使の力に畏れを成した 神はサタンから羽をもぎ取り 地に捨てた。 目に見えるもの全てを破壊した。 その強さは、魔界の王の一人として数えられるようになる程だったが 孤独の王は 人間の勇者一行により封印される事となる。 『もう二度と同じ轍は踏まぬ。』 サタンはベリアルと手を組み 地上の。憎き人の地の。 殲滅を目論んだ。 しかし人もやるようで。 1000年の年の経過も 忘れておらぬ勇者の一行が立ち上がり 進行を進めるベリアルの軍を足止め、 そして、ベリアルを追い詰める。 「助けてくれサタン!」 傷だらけの姿でで助けを求めるベリアル。 ベリアルの誤算は2つ。 人を軽んじていた事。そして、 「ベリアル、80の軍さえ手に入れば  貴様には用はない  明日からは魔界も私が治めるとするか。」 サタンは元よりベリアルを利用するつもりでしかなかった事。 「ベリアル  お前が謀るのが悪いのだ。」 そうして、高笑いをしながら ベリアルを捨て 軍を率いて撤退していくサタン。 「全てを失ったのか。  悪い行いをするからだ。  これからは、、、。」 勇者ギデオンの愉す言葉に 「お前せいだ!お前だけは道連れにしてやる   よ!!」 逆上したベリアルはギデオンを道連れに自爆した。 魔王の一角を倒し、軍を撤退させた 勇者ギデオンは伝説化し語り継がれる。
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