《プロローグ》御国の到来

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「魔王様の復活!嬉しく思います」 魔道士が跪く前で玉座に腰掛ける魔王。 その魔王の頬にはかすり傷。 「魔王様!その傷は!!?」 「、、、あの女!何者だ!!?」 瓦礫と屍の折り重なる町。 少年はそこで目にする。 波紋のように広がる魔王の衝撃波の跡。 その中心で事切れて倒れる母。 その行く手。波紋の切れ目。 唯一、魔王の波動を受けて切り裂き 仁王立ちで母が守るその背後は 少年が逃げる先。 『!!ここから先に行かせるわけにはいかない!!』 母が魔王の前に立ちはだかった証。 「いい!逃げるの!!」 母の言葉が聞こえてきた気がした。 母に守られた最後。 「生きてさえいれば必ず幸せは訪れるから」 自分の惨めさと弱さを思い知り 絶望の中、少年は 行く先もなく街を彷徨い出た。 そして、、、 1000年の封印を解き魔王復活! そのニュースはすぐさま大陸全土を駆け巡った。
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