《第5話》人の信頼する者

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父さん、、、 父さんとは幼い頃何度か遊んだ記憶がある。 何でも楽しくしちゃう遊びの名人で 一緒に居ると凄く楽しかった。 そんな父さんはほとんど家にいなかった。 どこに行ってるのか。 何をしてるのか。分からない。 母の「父さんはね遊び人だから」 と言う言葉で割り切るしかなかったが 初めは意味が理解出来なかった。 そのうち年齢が上がるにつれ それが何だか理解できるようになった。 そうしてたまにしか帰ってこない父さんへの 嫌悪感も増していき そうしているうちに 帰って来なくなり数年の月日が流れていた。 ギデオン 「お前が誰かは知らないがただの飲んだく  れ。そこで大人しくしていろ!  そいつは貰うぞ!」 アベルの子孫を他から引き離し 心を折った後、じっくり殺す。 まぁ死体が手に入れば尚もよし。 〘宿主〙マモン LEVEL72 体力 583 魔力 1325 攻撃力 262 防御力 343 ガス状の魔物。無機物や小動物、弱った人 まで、身体に入り込み、精神を乗っ取り 我が物とする。 本体の体力は少ないが宿っている物を破壊しない限り本体を現す事はない。 マモンは人に化け、いい器はいないかと 色んな国を歩き回る。 そんな時、レビで偶然、ベルゼブブを倒す エノク達を目撃する。 その報告をする為、 コウモリに乗り移りサタンの城へ 行くのだが そこで朗報。勇者アベルの子孫。 落ちぶれだとは聞くが価値は最大。 「偽物だったのか。」 自分が見た能力に、そして完全に 勇者ギデオンの見た目! エノクは騙されていた! 違和感はあったんだ!それに今気づいたよ。 『サタン様に滅ぼされた』ギデオンなら サタンに『様』はつけないよな。 「グヘヘヘ!  俺様は全てを支配できる。  それは石でも鳥でも木々でもだ!」 「死体はコレクションの一つさ。  その中でもギデオンは最高傑作。」 石が浮き、つるが伸びてしなり飛ぶ烏たちも エノクに向け襲いかかる。 「お前もよこせ!  その身体!!」 「エノク!!」 そこへ合流したアロンとデボラが共にマモンの攻撃を阻止する。 「やはりね。」 「僕もギデオンが『レビの国王』と、言って  る所に違和感を感じていてね。つけさせて   貰ったよ。兄弟って知らなかったんだろ?  国王とギデオンが。」 「エノクの能力は信じてた。だが君ははじめ  から胡散臭かったよ。」 しかし、3人で囲んで攻撃を仕掛けるも 背後からの攻撃も回避される。 「俺様に攻撃を当てようとしても無駄無駄。  俺様が操っている鳥や動物。  さらには石や木まで。全ての視界から  お前らを捉える事が出来る。」 「俺様に死角などないのだ。」 なるほどな。動く監視する目がいくつも 存在していれば どこからどんな攻撃を仕掛けようとも バレバレという事か。 自然を全て仲間に入れたような能力。 しかもそれがこれだけ無数に乱在していれば破壊を試みようともそれがバレ すぐに替えを用意出来るだろう。 サキュバスとインキュバスのように 同時に全てを倒すなんて事は不可能。 ベルゼブブの時は野生に近い生物だったから 閉じ込める事も可能であったが 今は閉じ込める手段もなければ 纏まるように動くベルゼブブに対し こちらは別々に動く多数の物。 どちらにしても効果は期待出来ない。
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