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だが、ヤツは一つミスをした。
それは
全てに視界があるとバラしてしまった事。
「よし!
アロンはそっちのオオカミと石を
デボラはそっちのカラスと木々を相手に
俺はギデオンを相手する!」
全てにある目は三人相手でも機能する。
アロンの剣の連撃とデボラの魔法の連打でも
次々と襲いかかる自然な生き物。
中心のエノクはギデオンと打ち合うも決定打
がない。
キンキンキン。
「サタン様が警戒しているからどんなもんか
と思えばやはり出来損ないは出来損な
い。」
打ち合うエノクに石が飛びぶち当たる、
ドカドカドカ。
「ぐっ。」
ダメージによろけるとそこへオオカミが襲いかかる。
オラオラオラ!
オオカミはなんとか蹴散らすも
オオカミに気を取られたエノクにさらに
ギデオンが襲いかかる。
「やめろ!」
それを止めるように飛び込んできのはアロン。
キンキン!
アロンはギデオンと打ち合う。
無数のオオカミと石を相手に
撃ち倒し続けるエノク。
ボゥ!!
今度はそこにデボラの炎が飛散する。
「こっちはあちしに任せて!」
そう言いデボラが石とオオカミを相手にすると
エノクの元にはカラスと枝が飛び交いだす。
次々と交差をするように
互いが交代しながらそれぞれ別の物を相手する。
『全てはギデオンを中心に渦巻いている。』
マモンの仕組みを理解したエノクは
アロンとデボラに作戦を伝えていた。
『スイッチするように動き回り相手を翻弄。
恐らく全てに目があるのであれぱ
その動きに目眩を覚えるだろう。』
「くそ!なんだ!?次は、どこにどいつ
が!?」
その目まぐるしい動きに
無数の目があるアモンは目が回り
今、誰が、何を相手にしているのかさえ
分からなくなる。
そしてギデオンを中心に渦巻いている。
つまりは奴の本体はギデオンに存在し、
ガスのような手足で他を操っているような
形だろう。
と、いう事は、
『ギデオンを討てば!
奴は倒せる!!』
「今だ!!」
そのエノクの号令をきっかけに
「ヤハ!!」
デボラが魔法を打つ。
その魔法はエノクに向けて飛ぶ。
ノーコンのデボラだが、何故かエノクにぶち当てる事だけは得意だ。
「僕もだ!
ロイヤルアトミックブラスト!」
アロンの攻撃はギデオンに向けて飛ぶ。
その攻撃に合わせて
デボラの炎を剣に移したエノクの
炎の魔法剣がギデオンの身体を捉える。
"業炎アトミックブラスト!"
ロイヤルアトミックブラストの聖なる光と
炎の剣撃の残痕がX(エックス)の字を
刻み、ギデオンの身体を切り刻んだ。
それと同時期。
コツーン、コツーン。
街の動物達をマモンが使役した為、
静まり帰った街に何者かの足音が
響きわたる。
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