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『鎌鼬の野郎ども、やはり、この餌を食べにきたのか、わたすものか!‥残念だったな.もうこいつは俺の…!!!!???いつのま‥ぐはっぐっ!!!』
「へぇいつのまにかおまえって俺にそんな口を?って違う違う‥今の僕じゃない!!」
知らぬ間に僕はその、ばけネズミの首を締め上げ宙に浮かしていた
こんな力しらない
乱暴なんてしたくないのに身体が言うことを聞かない
そんな純粋な気持ちと同時に黒い何かドロドロとした感情が、湧き上がり強くなりは、弱くなりの繰り返し
苦しそうに顔を歪める目の前の獣に、焦る気持ちはあるのに、力だけは弱まることを知らず強くなっていく
「管狐ごときの妖怪がよく俺にたてつこうとしたなーって違うのごめん痛いよね痛いよね‥ねぇ翡翠ってだれなの?答えてじゃなきゃ俺‥‥君ころしちゃうよ」
言ってルコととやってることぐちゃぐちゃだよ
でも、なんだろう今目の前の獣の生命朽ち果てていく様子を想像したらなんだよ、なんか
すっごくか、い、らく‥
にこりと笑った僕の顔が寮の窓にうっすら映り込む
あぁ、やっぱり 悟さんや純くんの言う通り妖怪は存在するんだね、あと、
僕の頭に狐のような耳、そして
わっさぁ…
一気に広がるふさふさと、綺麗に揺れる1,2、3.…9つの獣の、尻尾
そして、
『‥ひ、翡翠様がいきてらしたとわ…おたぐっぅぅ‥まさか、知らなくて‥ぐるじ…わからなかったんです…オタスゲを‥』
そうか
僕の本当の名が、翡翠ということ
ずっと飲み込めなかったその言葉を聞くとなんだが心がおだやかになっていた
自然と緩む相手を拘束した手のひら
『ぐふっ、ハァハァ‥翡翠さま、この愚かな妖を許してくださるのですか』
「夜があけるよ‥」
ふと見上げる光が完全に闇を消した
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