台所で起きたパニック(2)

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台所で起きたパニック(2)

 もう一つは私が低血圧だから起きたのだと思いたい。  朝ごはんの準備中の出来事でした。  団地から引っ越して新居のマンションでの出来事でした。  まだ、身体が覚えていない。というにはもうすでに1年ほど経ってからでしたので、そんなこともないとは思います。  我が家の朝食は片目の目玉焼き。ソーセージ2本。パンかご飯は各自好きな方。  目玉焼きは人数分まとめてフライパンに入れて適当に白身を切りながらお皿に盛ります。  その後、その油を利用してソーセージを焼くのです。  ところが、その朝、ソーセージが見当たらないのです。  確かに目玉焼きを作る時に一緒に冷蔵庫から出したはずなのに。  朝の忙しい時間の中ですから、もうパニックです。  目玉焼きはとっくに焼けて、お皿に盛りつけたのに、その後すぐに焼くはずのソーセージもないし、それを切るための鋏も引き出しから出した覚えはあるのに、どこにも見当たらないのです。 『え?え?????』  私は狭いキッチンをウロウロと探し回りました。  冷蔵庫の前に、鋏を出した引き出しがあって、引き出しの上のシンクの横に、鋏も両方出したはずなのに。  少なくともその周囲にあるはずなのに、なんでなくなった?  何度かウロウロと周りを探してみましたが、何処にもないので、もしかしたら、鋏は寝ぼけて出していないのかも。と、ともあれ、鋏の確認をするため引き出しを開けるとなぜかそこからソーセージが・・・・  え?じゃ、鋏は?まさか?と思いながら冷蔵庫を開けると  入っていました。それもソーセージとは何の関係もない、冷蔵庫の上の方の棚に。  私以外は作業できないほどのスペースだったので、私がやったのには間違いはないのですが・・・・  いったいなぜ、そんなことに?  でもまぁ、考えている時間はありません。  (ブツ)(ソーセージとそれを開ける鋏)も見つかったので大急ぎで炒めます。  朝食の席について食べ始めましたが、まだ納得がいきません。  だって、鋏とソーセージを逆に入れた残像は頭のどこにもなかったんですよ。  きっとこの間も時間にすれば5分以内。  ほんの短い間ですけれど、パニックになった頭で何度も同じことを考えました。  我が家の台所にはきっと小人さんがいるんだ。と思いたかった出来事でした。 【了】  
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