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台所で起きたパニック(1)
虫に関しては書きつくした感があるので(いや、いくら書いても描ききれませんが)台所仕事中のパニックのお話を二つ。
私の息子たちはとても大きくて食事の支度が「怪獣退治」とご近所のままともに言われていたのは何度も描かせていただきました。
そんな大量の料理を作るのに、私は料理があまり好きではありません。
だから、調理時間は短くしたいのです。
今の様に時短とか、タイパ何て言葉もありませんでしたけれど台所での作業はできるだけ短くしたかったのです。
それ故、野菜を切る速さは尋常ではありません。
だって、一番時間がかかる作業ですからね。
それだけを見たママ友たちは
「料理上手なんだね。」
と言ってくれましたが、あれは料理ではなく、作業ですよね。
料理はそこから先の味付けや盛り付けな気がします。
一番パニックになったのは、野菜ではなく、から揚げを作ろうとした日の事。
その頃はニンニクをお醤油に付け込んだニンニク醤油を常備していました。
唐揚げ用のお肉をニンニク醤油に20分ほど漬け込み、そこに片栗粉をまぶします。
まぶすのにはビニール袋に片栗粉を入れて、そこに肉を投入。
ビニール袋を少し膨らませ、まんべんなく粉が肉につくように上下に振るのです。
さて、その日は公園から自分が帰るのが少し遅くなって焦っておりました。
粉を付けた後も少し時間が経った方が粉まで味が染みて美味しいんですよね。
なので、さっさと肉に粉をつけたいと思い、大急ぎで下ごしらえをしていたその時、振っていたビニール袋が『パン』と言う音と共に破裂したのです。
多分いつもより多めに息を吹き込んだのでしょう。
そして、ビニール袋を振る勢いも強かったのでしょう。
一瞬何が起こったのか分からず、白い粉が飛び散る中で呆然とした私。
すぐに何が起きたかは気づきましたが、とにかくお肉は救済しないとおかずが無くなってしまいます。
床に舞い落ちた白い粉の中に当然お肉も台所の床に飛び散っています。
さすがにそのまま。という訳にもいかないので、一旦ボウルに回収して、洗いましたよ。
もう、パニックです。時間はないし。この後どうしたらよいのか手順が全く頭に浮かびません。
でも、下味は付いているのですから、もう一度、さっとニンニク醤油をくぐらせて、ビニール袋に片栗粉を入れ、今度は手加減して空気を吹き込んでそっと振りました。
揚げている間に床の掃除をしました。もともと片栗粉は肉に着く分だけを少量入れていたのですが、とにかく160cm程の私の胸元で振っていたので、広範囲に粉が散らかっていて大変でした。
おまけにそんなことをしている間に息子たちが
「おなか空いた~。」
と、言いながら帰宅してしまったので、
「こっちにこないで~。」
と、言いながら
「とにかく、部屋に入らないで先にお風呂に入って~。」
と、お風呂に促し、着替えは私がだして、お風呂場の前へ。
夏の事だったので、お風呂は長風呂で遊んでもらえるようにぬるめのお湯を入れていたのが幸いして、息子たちがお風呂から出るまでには、雑巾がけまでようやく終わりました。
長男はその頃もう小学校の4年生だったので、私が何かやらかしたのを見ておりまして
「お母さん、何やってたの?」
と、聞かれてしまいました。
えぇ、正直に話しました。
でも、たとえ、お肉を拾ってそのまま揚げていても息子たちがから揚げを残すなんてことはないのですが、
「ちゃんと洗ったからね。」
と、言う所は言いました。
多分事件が起きてからごはんまでは、揚げ物の時間を考えても20分ほどでしたが、私には際限なく長い時間に感じました。
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