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誘い
ある休日、ミラーゼは気分を変えようといつもと違うメイクでウィッグを付け、服装も変えて街に出かけた
久々に1人で出かけて清々しい気持ちで歩いていると、
「お一人ですか?」
と声をかけられた
振り向くとダミアンが立っていた
思わず声が出そうになったが、なんとか冷静になれた
「突然すみません。ケーキの美味しいお店があるのですが、男1人で行くのは恥ずかしいので宜しければご一緒していただけませんか?」
ミラーゼだと気付かず声をかけてきた
『甘いものは苦手なはずだけど…。あんなに一緒にいたのに、ちょっとメイクを変えただけで私だと気が付かないなんて、ダミアンは本当に私に興味が無かったのね』呆れてしまった
そしてダミアンの行動を知る機会と思い直して、誘いに乗った
「あまり時間がないのですが、それでも宜しければ」
微笑んで答えた
「ありがとうございます。では行きましょうか」
ダミアンはそう言うとケーキ店へ向かい始めた
ケーキを食べて、ダミアンの一方的な話を笑顔で聞いていた
帰り際に
「今日はありがとう。もし良かったらまた一緒にケーキを食べてくれませんか?」
ダミアンは微笑んで言った
『こうやって、女性を口説いていたのね』
ミラーゼはガッカリしながら
「はい」
と答えて、次の約束をした
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