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錯覚
ダミアンは、毎日のように突撃してくるエリーゼに困っていた
その一方で、エリーゼが来るとミラーゼが目の前で微笑みかけてくれている錯覚におちいる
エリーゼは、ミラーゼとは顔以外全く違う
ミラーゼはいつも人の気持ちを思いやり、自分の感情だけを押し付けてくることは無かった
人に迷惑をかけることも無かった
ダミアンの事を一番に考えて動いてくれた
エリーゼはミラーゼでは無い
分かってはいるが、目の前で微笑んでくれるエリーゼに、もう二度とダミアンに微笑んでくれる事の無いミラーゼを重ねてしまう
「どうしたらいいのか…」
ダミアンは、段々と気持ちの整理がつかなくなっていった
ミラーゼだけを相変わらず、愛していることだけはわかっていた
エリーゼは、ミラーゼの代わりではない
自分の身勝手で側に置くわけにはいかない
でも…
「私と結婚すれば、母様とも縁続きになれます」
エリーゼのこの言葉が何度も頭の中に浮かんでしまう
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