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夫と兄達
「ミハイルどうなってるんだ?」
マルクスが切り出した
「ミラーゼが、ダミアンに可能であれば、娘を受け入れて欲しいと言い出したんだ。親として娘の願いを叶えてやりたいと」
「何でそうなった?」
ルミナスも理解出来ないといった顔をしている
「ミラーゼは、領地から帰る時、何か吹っ切れたふうだった。そして、僕と一緒にダミアンに会いに行って、突然言い出した」
「何でそんな事を。ミラーゼはダミアンを婿として迎え入れることが出来るのだろうか?体調が心配だ」
「そうなんだ。領地に帰ったのだって、ミラーゼの心が壊れてしまったからだ。これから、ダミアンと関わると思うと不安でしかない。だから、僕は反対だ。それがなくても、ミラーゼをあんな形で傷つけたあいつを許せない。そんな奴に、娘を託すことも出来ない」
「そうだな。ダミアンは男として、最低だ」
「エリーゼはどうしてる?」
「あの子は何を言っても無駄だ。完全にのぼせ上がっている。反対すればするほど、ダミアンに執着するだろう」
「エリーゼにも困ったものだな。ミラーゼとダミアンの婚約破棄の事は伝えてあるんだろ?」
「ミラーゼが言った。理由を伏せて。ミラーゼは婚約破棄については自分にも非があると思っている。エリーゼは、婚約破棄の後、僕とすぐに結婚したことを責めたみたいだ」
「なんて事を。母より男を選んだか。ミラーゼは未だに苦しんでいるんだな。可哀想に」
「何とかしてやりたいが、状況が悪い方に向かってるな」
「そうなんだ。もうどうしようも出来ないだろう。それなら、僕はミラーゼを全力で守るしかない。エリーゼの説得は諦めた。後はダミアンの出かた次第だ。ダミアンは未だにミラーゼを愛している。それはダミアンからの執着ともいえる」
「あいつもしつこいな。そんなに想っているのに、みすみす手放した馬鹿なやつだ」
「エリーゼとミラーゼは、顔がすごく似ている。ミラーゼの代わりにと思っていてもおかしくないだろう」
「どこまでも、うちに関わってくるな」
「はぁ…」
3人で溜め息をついた
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