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諦め
「モンテルロ辺境伯様、私との結婚決めていただけました?」
エリーゼがダミアンに詰め寄った
「…」
相変わらず、返事をしないダミアン
「もう随分待ちました。もういいではありませんか。私は自分の気持ちをモンテルロ辺境伯様にお伝えしてきました。そろそろ、結婚してくださってもよろしいのではありませんか?」
エリーゼには断られるという結末はないらしい
ダミアンはミラーゼと縁続きになる為に、政略結婚だと諦めようとも考えていた
政略結婚なら家同士の繋がりのための結婚なんだから、当主として家を守らなければならないと割り切れると
しかし、この娘と一緒に暮らしていけるだろうかと不安になっていた
常に自分の気持ちを相手に押し付けてくる
相手の気持ちを勝手に自分の都合のいいように解釈する
考え方がまだ幼いからなのか、元々そういう性格なのかわからないが…
ミラーゼから生まれたとは、到底思えない身勝手さだ
半分は、僕からミラーゼを奪ったミハイルの血が混ざっているからだろう
僕の天使ミラーゼ、彼女の事だけを考えて生きていきたい
ダミアンもまたどこまでも拗らせていた
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