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フィーナとミラーゼ
ミラーゼはヨゼフィーナのもとを、訪れていた
「フィーナ姉様、今日は相談があってきました」
「ダミアンとエリーゼの事かしら?」
「はい。そうです。エリーゼはダミアンに執着とも言える行動をとっています。いくら初恋とはいえ、あれはやり過ぎかと。けれど、母としてそこまで愛している方との結婚を望んでいるのなら叶えてやりたいと」
「ミラーゼはダミアンとの事、賛成なの?」
「はい。ダミアンさえよければ」
「そうなの…」
ヨゼフィーナは考え込んでしまった
「ちょっと待ってて。マルクスにも聞いてもらっていいかしら?」
「マルクス兄様いらっしゃるんですか?ぜひお願いいたします」
マルクスが客室にやってきた
「ミラーゼ、よく来たね」
「マルクス兄様、ごきげんよう」
「で、どうしたの?」
ヨゼフィーナが切り出す
「ミラーゼは、ダミアンとエリーゼが望むなら結婚に賛成らしいの。あなたどう思う?」
「ミラーゼ、大丈夫なのか?僕は君の体調が心配だよ。ダミアンと度々会う事になるよ」
「はい。徐々に、慣れていけば大丈夫かと」
「そうか。ミラーゼがいいなら。でもね、ダミアンはエリーゼを愛しているかは分からないよ。嫌ってはないだろうけど」
「そうですか?ダミアンもエリーゼを好いていると思うのですが、ただ私に気を使って隠しているだけだと思います。想い合う2人なら、きっと上手くいくことでしょう。」
「…」
マルクスはヨゼフィーナと目を合わせた
『気がついてないのか?ダミアンの熱の籠った視線に』
マルクスは驚いた
誰が見ても、ダミアンはミラーゼを想っている
エリーゼを見ている時も、きっとミラーゼを重ねているだけだろう
同じ男として少しだけダミアンが気の毒になった
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