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結婚式
「モンテルロ辺境伯様、そろそろ結婚してください。もう待てません」
19歳になったエリーゼは痺れを切らした
エリーゼがダミアンと出会って3年近く経っていた
「もう3年も待ちました。このままでは、婚期を逃してしまいます」
エリーゼは相変わらず自分本位だ
「わかった。結婚しよう」
「はい。ありがとうございます」
エリーゼは喜んだ
ついに初恋が実った瞬間だった
それからは、婚約、結婚と順調に進んだ
マクライヤー侯爵家側は、諦めムードで
リカライン公爵家側は、戸惑いを隠せないようで
エリーゼだけが終始笑顔だった
ついに、2人の結婚式で20年以上関わらなかった、リカライン前公爵とファンカルゴ前公爵が会う事になる
しかも、新郎の父と新婦の祖父という立場で
2人は共に公爵だったので、パーティーや社交の場などでもよく会っていたが、一言も言葉を交わす事はなかった
ファンカルゴ前公爵が、徹底的に避けていた為だ
それまで親友と呼べる2人だったが、ダミアンのせいで一瞬で友情は崩れ去った
まあ、結婚式でも初めの挨拶はしたが、その後一切接触は無かった
ダミアンとマルクス、ルミナスも同じだった
何とも言えない気まずい雰囲気だけが流れていた
エリーゼだけは、その雰囲気に気づく事なく一人幸せそうだった
そうして、無事結婚式は終わった
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