怒り

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怒り

その場にいた全員がダミアンを見た 何を言い出すんだと言わんばかりの目で 慌てて、リカライン公爵がダミアンを黙らせた 「何を言い出すんだ。自分のした事を分かってないのか。どうしたらそんなことが言えるんだ?しかも複数人と関係を持っておいて。何が愛しているだ。常識のあるものなら、愛している人や婚約者がいて不貞をはたらくような事はしない。愛している人を傷つけたのはお前だろ。この様な事になるのは覚悟の上だろう」 「ふざけるな。お前は自分がミラーゼにした事がわかってないのか?僕たちが何も知らないとでも思ってるのか?不貞をしておいて。ミラーゼはお前が弄んだ令嬢達に学園で嫌がらせまでされていたんだぞ。そんな事にも気が付かないで。何でお前がした事の逆恨みでミラーゼが酷い事されないといけないんだ。何が愛しているだ。ふざけるな」 マルクスがダミアンに詰め寄った 「僕たちが知ってるだけで、愛人は20はゆうに超えているんだ。それなのにミラーゼを愛しているだと。お前は愛していると言えば何をしても許されると思ってるのか?しかも、ミラーゼはお前が令嬢と腕を組んで歩いているのをみてるんだぞ。どれだけ心に深い傷を負わせたかわかっているのか?言い逃れ出来ると思うなよ」 ルミナスも怒りで震えている 「どうしたらそんな事が言えるのか…。ダミアン、私は全く理解が出来ない。そもそもこの婚約を望んだのは君だろう?それなのに、自分で壊すような事をしておいて愛しているから許してくれとは…。我が公爵家を馬鹿にしているのか?」 お父様がため息をついた 「我が子ながらここまで酷いとは、ミラーゼを傷付けてよくそんな事が言えたわね。私達は、ミラーゼがお嫁に来てくれるのを心待ちにしていたのよ。それさえも裏切って。貴方に挽回の機会はもう無いのよ」 リカライン公爵夫人はそう言うと、泣き出してしまった 「それでも僕はミラーゼと…」 ダミアンの言葉をお父様が遮った 「これ以上、話すことはありません。ダミアンの言い訳は必要ない。話をするだけ時間が無駄になる。それだけでなく、ミラーゼを余計に傷つける事になる。話はもう終わりましたので、お引き取りいただきたい。もう2度と顔も見たくない。今後、会う事はありません。婚約破棄の書類は署名して送らせてもらう」 「少しでいいのでミラーゼと話をさせてください」 ダミアンは小さい声で言った そうして、すがる様な目でミラーゼを見た その瞬間、ミラーゼは吐き気を催し、咄嗟に口を押さえた 『気持ち悪い。ダミアンとは同じ空間にいたくない』ミラーゼは耐えた 「大丈夫か?ミラーゼ」 兄達は心配そうに声をかけた 「ミラーゼは、食事も取れないくらい傷ついているんだよ。とても話せる状態ではないのに。当事者だからと、席に着いているんだ。こんなに痩せ細ったミラーゼを見ても何も思わないのか?もうそっとして置いてくれないか」 公爵が怒りを抑えてダミアンに言った
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