浮気(ダミアン目線)

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浮気(ダミアン目線)

15歳になって学園に入学した マルクスとルミナスも一緒に 2つ上には姉上もいる 学園に通うようになり、自分を取り巻く環境が変わった 次期公爵の地位に群がる令息達も増えた 令嬢達は、公爵夫人の座を狙っている チヤホヤされる様になり、良い気分になっていた ある時、男爵令嬢が迫ってきた 最初は相手にしなかった 何度も誘われるうちに、手を出してしまった それからは遊び放題の環境にハマった 声をかけてくる女性たちと関係をもった 好きになったりはしなかった 関係を持った女性とは、1回きりと割り切っていた それがミラーゼへの配慮だと 1度きりなら不貞ではなく、遊びだと その後は完全に切らず、キープだけした女性もいた しかし、2度関係を持つ事はない ミラーゼを愛しているし、結婚するまでの遊びと来るものを拒まなくなっていた ミラーゼに気づかれなければいいと 結婚するまでだからと自分に言い訳をして 2年後、学園に入学したミラーゼのもつ婚約者の座を狙って関係をもったことのある女性達が ミラーゼを攻撃するとは思わなかった そんな時、街でミラーゼにどこか雰囲気が似ているファスティールという女性に出会った 自分から声をかけたのは、初めてだった 彼女と話をするのはとても楽しかった ミラーゼと話をしているように感じた ミラーゼと会えない日は、ファスティールと会えば満たされた そして、他の女性に興味が無くなった ファスティールをミラーゼの代わりにしていた そしてある時、ミラーゼに街に出かけないかと誘われたが、ファスティールと約束をしていたので、断った 日を改めて街へ行けばいいと これから結婚すればその機会は何度もあると ファスティールとは卒業までの関係だからと優先した ミラーゼが悲しそうな顔をしていたのに、僕は気が付かなかった あの時気がついて、ミラーゼと出かけていたら、まだ婚約を続けていられたかもしれなかった 僕は何度もその機会を見逃して、ミラーゼは去っていった 完全にいなくなるまで、その事にも気がつかなかった 僕の天使、ミラーゼ いつも僕の話を微笑みながら聞いてくれた 誰にでも優しく、美しい婚約者 彼女さえいれば良かったはずなのに 大事にしてきたのに… 大事すぎて手を出せなかったミラーゼ 浅はかな僕の欲望のせいで、傷つけて辛い思いをさせてしまった 裏切ってしまった そして、共に歩んでいく未来は無くなった もう僕の隣で微笑んでくれる事は2度とない 何もかも失ってしまった 僕にはもう何もない
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