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手紙
学園での、生活が始まった
ミラーゼの周りはいつも人であふれていた
天使のような微笑みで、みんなの話を聞いていた
たくさんの友人も出来た
お昼になると兄達が食堂へ行こうと迎えに来る
ミラーゼにとって毎日がとても充実していた
ある時から、ミラーゼの靴箱に手紙が入るようになった
『貴方のせいでダミアン様は辛い思いをしている、ダミアン様を解放して』
こう書かれていた
女性の字だった
その手紙を誰にも気付かれないように、鞄に押し込んだ
次の日も入っていた
『ダミアン様は、あなたとの婚約を破棄したがっている』
それから毎日手紙が入っていた
『ダミアン様は、私を愛している』
『愛されていないあなたは邪魔』
『ダミアン様は貴方を愛していない』
『ダミアン様の前から消えて』
『ダミアン様と別れて』
『貴方がいる限りダミアン様は幸せにはなれない』
どんどん酷くなる手紙の内容に、ミラーゼは誰にも相談できず、食事も喉を通らなくなっていった
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