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令嬢
「ミラーゼ様は、ダミアン様と婚約破棄なさったというのは本当でしょうか?」
「はい」
「そうなのですか…」
サラーム嬢の声が小さくなる
「では、私は失礼しても?」
「あの、少し。ミラーゼ様はダミアン様を今も想っていらっしゃいますか?」
「え?いえ」
ミラーゼの答えに驚いたように見ている
『何かおかしな事言ったかしら?あの様な事があって、ダミアンをまだ想うことがあるはずないのに』ミラーゼも戸惑いを隠せない
「ダミアン様はミラーゼ様を今も想っていらっしゃるのに…」
小さな声で呟いている
「そろそろ兄達が来ますので、失礼させていただきます」
ミラーゼはサーラム嬢を残して、バルコニーから会場へと戻った
「ミラーゼ、どこ行ってたんだ?」
「なにかあったのか?」
兄達が心配そうにミラーゼをみた
「何でもありません。兄様素敵でした。さすが私の自慢の兄様ですわ」
ミラーゼが微笑んだので、兄達も微笑み返した
「まあ、これくらいは当たり前だ」
照れくさそうにマルクスは笑った
「ミラーゼも2年後にはあの壇上にあがるけどな」
しばらく楽しんで、会場から帰路についた
兄達と合流してからは、令嬢達の視線は感じたが、声を掛けてはこなかった
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