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目撃
ミラーゼは、ダミアンが伯爵令嬢と腕を組んで歩いているのを目撃してしまった
思わず隠れてしまったが、
『やっぱりダミアンは私を裏切っていたのね』と気づいてしまった
靴箱の手紙はダミアンの気持ちだったんだと
薄々、わかっていた
でも勘違いだと思いたかった
ダミアンを愛していたから
「邪魔者は私だったのね」
その日、ミラーゼは自室で声を殺して泣いていた
子供の頃からずっと一緒だった
大好きだったダミアン
いつも優しくてミラーゼを愛してくれていた
一緒にいるのが心地よかった
この幸せがずっと続くと思っていた
結婚して、2人で支え合っていけると
だけど彼の思いは違っていた
私を愛してはいなかった
翌日、ミラーゼは決心した
もう彼と人生を共にすることは無いと
ダミアンはもういらない
ミラーゼの頭の中に、婚約破棄の言葉が浮かんでいた
そして、それに向けて動こうと
ダミアンと共に歩く未来は見えなくなってしまっていた
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