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ミラーゼの面影
エリーゼはダミアンへ自分の気持ちを再び伝え始めた
ダミアンは何を言われても揺るがない
それでもエリーゼは諦めなかった
「なぜ私では駄目なんでしょうか?」
「だから、ずっと思っている女性がいると言っているではないか。貴方のことは、何とも思っていない。彼女以外は僕にとって、女性ですらない」
「でも、その方とは結婚されないんですよね。だったら、貴族の義務として子孫を残すことは分かっていらっしゃいますよね。いずれ、政略結婚されるなら、私でよろしいではないですか」
エリーゼも負けてなかった
「辺境伯の後継者はいるので、心配はいらない。僕は生涯結婚はしない」
「…」
ここまで拒絶されると、言葉も出なかった
でも、頑張らないと未来はない
「それでも、私はモンテルロ様しか嫌なんです。だから私を救う為に結婚してください」
めちゃくちゃなことを言い出した
これでは子供の我儘だ
しかし、ダミアンはエリーゼにミラーゼを重ねてしまう
目に涙を溜めて必死で耐えているエリーゼは、あの時のミラーゼと同じ顔をしていた
心が揺れる
エリーゼはミラーゼではないし、代わりにしてはいけない
ダミアンもまた耐えていた
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