娘から父へ

1/1

402人が本棚に入れています
本棚に追加
/145ページ

娘から父へ

エリーゼは父に、自分の気持ちを伝える事にした 「父様、お話よろしいでしょうか?」 「いいよ。どうしたんだい?」 「先日、2度助けていただいたモンテルロ辺境伯様をご紹介しましたよね。私、あの方と結婚したいのです。ずっと、モンテルロ辺境伯様にはお話しているのですが、いい返事がいただけません。父様からも結婚の申し込みをしていただけないでしょうか?」 「…エリーゼ、それはモンテルロ辺境伯様が君を好いてないのではないかな?彼に気持ちを聞いてないのかい?」 「はい。断られました。だけど、私は納得が出来ないし、諦める事もできません」 「エリーゼ、一方的に気持ちを押し付けるのは良くないよ。モンテルロ様にも気持ちがあるのだからね」 「はい。それは分かっています。モンテルロ様が、承諾してくだされば、結婚を許していただけますか?」 「それは…賛成できない。年の差がありすぎる。」 「父様はいつも私たちが選んだ人を連れてきたら、我が家に迎えいれるとおっしゃっていますよね、年の差は反対する理由にはならないですよね」 「年の差だけが、理由ではないよ」 「では、何が理由なんでしょうか?」 「彼は…。とにかく、結婚相手として駄目なんだよ」 父は悲しそうにそう言った その顔を見て、エリーゼは何も言えなくなった
/145ページ

最初のコメントを投稿しよう!

402人が本棚に入れています
本棚に追加