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一撃
「母様、父様から結婚を反対されました。どうして駄目なのでしょうか?父様はモンテルロ様が嫌いなのですか?」
「…」
「母様は何か知っているのですね。教えてください。でないと諦められないんです」
エリーゼは真剣だ
ミラーゼは母として、娘に誠実でいたいと思う
全てを話すことにした
「エリーゼ、辛い話になるかもしれないけど、貴方も成人しているからちゃんと話すわ。実は、モンテルロ様と私は婚約していたの。モンテルロ様の間違いで婚約破棄となりました。その後の私を支えてくれたのが、父様なの。だから、私の家族は裏切ったモンテルロ様を受け入れられないの、ごめんなさい」
「母様の婚約破棄と私の恋は全く別の話よね。母様とモンテルロ様が婚約破棄したからといって、なんで私が諦めないといけないの?母様は、自分が結婚出来なかったから反対なの?それは間違っているわよね。母様がモンテルロ様とうまくいかなかったからって、私には関係ないわ。私はモンテルロ様と結婚します」
そう言って部屋を出て行った
『母様が婚約破棄されたからって、なんで諦めないといけないのよ。私は私よ、絶対に諦めないんだから』エリーゼは理由も聞かず怒っていた
ミラーゼを傷つけているとも知らずに
エリーゼの言葉にミラーゼは心を壊してしまった
『婚約破棄されたのは私のせいで、エリーゼには関係ないことだわ。私が色々口を出すべきではなかった。もう消えてしまいたい』
気がつくと、ミラーゼは声も出さずに泣いていた
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