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落ちていく
ミラーゼは完全に心を閉ざしてしまった
食事もほとんど取らず
部屋に篭りがちになっていった
ミハイルは時間の許す限り、ミラーゼのそばにいた
こうなってしまうと、ミラーゼは落ちる一方だ
「ミラーゼ、大丈夫だよ。僕がずっと側にいる。他の事は何も心配いらないよ」
「婚約破棄されたのは、私のせいで、エリーゼには関係ない事だわ。それなのに、あの子に辛い思いをさせてしまった。母親失格ね。ごめんなさい、ミハイル。私のせいで、あなたにも辛い役割をさせてしまって、ごめんなさい…」
前を向いたまま、ミラーゼは静かに涙を流していた
「ミラーゼ、大丈夫だ。ずっとそばにいる」
そっと、抱きしめる
「大丈夫」
ミハイルの言葉もミラーゼには届かなくなってしまった
そして、眠れない日々が続くようになった
ミハイルは決心した
「ミラーゼ、しばらく領地に戻ろう」
そういうと、ミハイルは両親にエリーゼとルーカスとダグラスの事を頼み、朝早くミラーゼを連れて領地に向かった
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