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「ルナはすばらしい魔術を持っているんだね」
ルーエヘーデンは心の底からそう思った。
自分が生まれた土地も、自然も、彼女がいたからできたのだろう。
彼女が悩むのはその永遠を約束された命だ。
それに対して自分は何ができるのだろう。
ルーエヘーデンはルナを抱きしめた。
「君はずっと一人で生きてきたのだろう。
だが、こんな見ず知らずの僕を受け入れる広い心を持っている。
しかし、人間全部受け入れられるわけじゃない。
ルナは自分の存在っていうのが受け入れられなかった。
それだけだ。
それで寂しいと思うなら、僕がそばにいるし、
人の熱を感じたいなら、抱きしめるよ。
だから、責めないでほしい。
僕がこの世界で一番好きな人が苦しんでいるのは嫌だから。」
ルナは声をあげて泣いた。
今まで一人でいた彼女には、彼の熱が温かった。
長年の不安を、こんなふうに晴らしてしまう彼に、
どこか惹かれ始めていたのだろう。
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