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「ルナ、僕は君に出会えて幸せだよ」
ルーエヘーデンは燃え上がる火を見つめながらつぶやく。
ルナはルーエヘーデンを見た。
「僕は故郷を出るまで、こんな素敵な世界を知らなかった。
鳥のさえずりと共に起き、自然の恵みを享受して、月明かりに照らされながら眠る。全てが真新しく、興味をそそられた。身体の底からグワッと興奮が出てくるように。
だけれど、僕はそれ以上に美しいものに出会ってしまったんだ。
わかる?」
そこで、ルーエヘーデンはルナのすみれ色の瞳を見つめる。
ルナはルーエヘーデンの澄んだ空のような青色の瞳と相対した。
「……わかりません」
ルナにはわからなかった。
自然よりも美しいなんて、それはどんなものだろう。
「君だよ、ルナ。
君と出会ってから、僕の心には君しか映っていないんだ。」
ルーエヘーデンはルナとの距離を縮めた。
ルナはその距離を自然と受け入れていた。
「ル、ーエ……?」
「君を愛してる。
この世界で一番美しくて綺麗でしとやかな君を。」
ルーエヘーデンはルナの手にキスを落とした。
それだけで、ルナは燃えるように赤くなった。
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