土方さんちの美味しいご飯

だが、誰の願いが知らないが――俺は、蘇らされてしまった以上、生前の約束に従いコイツを守らなければいけない。

俺は優に正座をさせると、目の前でこう言った。

「いいか？昨日も言ったが、俺が此処に来た以上、お前を死なせる訳にはいかない。が、お前には生活能力や生きる力が全くもって無さすぎる。だから、先ずはお前が健康な生活が出来る様になるまで、暫(しばら)く俺がお前を養ってやる事にした」

「おぉ！」

俺の言葉に、嬉しそうに純粋に瞳を輝かせる阿呆。

（男が男に養われて何が嬉しいんだ）

俺も、わざわざ蘇ってまで何でこんなでかい男を養わなければいけないのか。

我に返ると、何だか非常に泣きたくなる。

が、そんな泣き言を言ってはいられない。

コイツを死なせない――即ち、自殺だけではなく不摂生による死亡も阻止し、生きる気力を取り戻させ、人間らしい生活を送らせなければ俺は黄泉に戻れないのである。

だからこそ――。

「差し当たっては、今日から俺が、お前に毎日飯を作ってやる」

俺は優をびしっと指差しながら、高らかにそう宣言した。