土方さんちの美味しいご飯

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優が口にした俺への真っ直ぐで強すぎる思い――。 その言葉に、胸の鼓動が早く激しくなっていくのを感じる俺。 と、同時に確かに俺は理解もしていた。 (コイツは、今まで俺の上っ面だけを見て言い寄って来た奴らとは違う) と。 (だからこそ、俺は……俺達は、あの女と決着をつけなきゃならねぇ) 俺が優の想いを受け入れるにしても……或いは、拒絶するにしても、全てはアイツの大切な指輪と刀を取り戻した後だ。 優が大切な人の子孫で……何より、俺のことをあそこまで大事に思ってくれているのが分かったからこそ、尚更、強くそう思う俺。 (アイツには、全てを取り戻してもらった後で……それでも、気持ちは変わらないのか、ちゃんと聞かなきゃいけねぇ) 優のことを――優との未来を真剣に考えているからこそ、俺はそう思う。 優が大切な物を全て取り戻し、あの女としっかり決別し、ケジメをつけた後で……それでも尚、優の気持ちが変わらず、俺を思ったままでいてくれるなら、俺は――。 優との未来を想像しながら、俺は彼に視線を向けた。
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