土方さんちの美味しいご飯

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「……わかったよ」 優のその台詞に、渋々門から離れる俺。 どうやら俺は、自分で思っている以上にこのバカに対して甘いらしい。 自分自身に苦笑を浮かべつつ、俺は優と共に裏門に向かった。 「夕べの会議の時にも話したけどさ?この裏門にも警備システムはあるだろうけど……まぁ、上手く引っかからない、かもしれない方法があるんだ」 「かもしれない」という部分が気になるが、戦闘になるのが遅くなるならその方がいい。 (体力は温存しておきたいからな……) 俺はそう考えつつ、優に従った。 と、俺が見ている目の前で、優が裏門の直ぐ側に生えていた街路樹に登り始める。 そうして、街路樹の中程――裏門近くに伸びた太い枝部分から、裏門内にある屋根のついたがれえじとやらへ身軽に飛び移ったではないか。 (作戦で話はしたが……こうして改めて見てみると、軽業師(かるわざし)みてぇだな) 俺がそんなことを考えていると、がれえじの屋根に乗っている優が俺に手招きをする。 どうやら、安全だから来いという事らしい。 俺は優に頷いて見せると、木の幹に手をかけた。 そうして、するすると上に登ると、優ががれえじに飛び移ったのと同じ枝から、俺もがれえじとやらの屋根へと飛び移る。
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