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がれえじとやらの屋根で合流した俺と優。
俺達はそのまま端まで移動すると、目と鼻の先にある建物の2階にあるべらんだとやらの部分――そこにある柵に手をかけた。
そうして、そのまま柵をよじ登り、べらんだの内側に着地する。
幸い、警報しすてむとやらは、作動していない様だ。
というのも、優曰く、
「外はともかく、室内は……基本的に、人がいる時は警備システムは切っておくものだからね」
と、いうことらしい。
だからこそ、俺達は室内の警備しすてむが切ってあり、かつ、油断を誘える就寝中……真夜中を狙ったのだが。
その狙いは上手くハマったらしく、優と俺は警備には上手く引っかかる事なく、べらんだの内側――そこにある硝子の戸に手をかけた。
部屋の中は暗く、人がいる気配はない。
すると、硝子越しに中を見ていた優が、ふと呟いた。
「うん。どうやら此処は書斎らしい。作戦通りだね。此処から入ろう」
優の言葉に小さく頷く俺。
元より、がれえじの屋根からべらんだ伝いにこの書斎へ侵入し、書斎から屋敷の中へと入る予定だったのだ。
俺は、「わかった」とだけ告げると、彼と共にいよいよ屋敷の中へ侵入した。
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