土方さんちの美味しいご飯

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そうして、書斎の中を、まずは物色する俺達。 というのも、俺と優は「由理恵が形見の品やらを家の中に隠している」ことは知っていたが、どこに隠しているかまでは知らなかったのだ。 なので、此処から先は虱潰(しらみつぶ)しに怪しそうな部屋の中を探していくしかない。 俺と優は手分けして、書斎の中の捜索を開始した。 引き出しの中はおろか、本棚の中や、椅子の下、更には机の下までも()う様にして探してみる俺達。 だが、結局、書斎で優の探している品々を見つけることは出来なかった。 「此処まで探して無いとなると、恐らくこの部屋には無いのかもしれねぇな」 念の為、本棚に入っていた本を開き、中をくり抜いて隠して無いか調べながらも、俺がそう口を開く。 と、俺の言葉に重々しく優が頷いた。 「この部屋にあれば一番良かったのだけど、やっぱりそう上手くはいかないか。……仕方ないね。他の部屋に移動してみよう」 「ああ」 優の台詞に頷く俺。 そうして俺達は、取り敢えず隣にある部屋に移動した。 優の用意した地図や図面によると、この部屋は女の衣装部屋らしい。 相当に金を注ぎ込んだのであろう――豪奢(ごうしゃ)な衣装が所狭しと並べ、飾られていた。 と、部屋の壁際に大きな洋風の鏡台があるのに気付く。 その上には硝子の箱に入った状態で沢山の宝石やあくせさりぃとやらが並べられているではないか。 (もしかしたら、この中に優の親の形見の指輪があるんじゃねぇか……?) 俺は懐から写真を取り出すと、中に並ぶ宝飾品とそれらを見比べ始めた。
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