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由理恵達を起こさない様に、そっと忍び足で寝室に侵入する俺と優。
そうして、俺達は先ず出来る限りべっどから遠い場所から捜索を開始した。
離れた場所にある鏡台、くろーぜっととかいう衣装棚、それに由理恵のものであろう手提げ(優曰く「ばっぐ」というらしい)の中までくまなく調べていく俺達。
しかし、目当ての品はどれ一つとして見つからなかった。
と、由理恵のばっぐを戻そうとした際、ばっぐについていた装飾品――きいほるだあというものがコロリと床に転がり落ちる。
(あ、いけねぇ……!)
慌てて手を伸ばすと、それを拾おうとする俺。
しかし、丸い形のきいほるだあとやらはそのまま転がり続け、なんと由理恵達が眠るべっどの下に入ってしまった。
(嘘だろ……)
俺は優と顔を見合わせる。
静かに首を振り、きいほるだあの一つ位放って置けと言いたげな優。
だが、ああいう些細なものでも放っておけば後で災いになる可能性があるということを、俺は今までの経験上、とてもよく知っていた。
(それこそ、偶然落ちていた物が隊士の持ち物で……それで足がつきそうになったりしたっけな)
今回のことだってそうだ。
もし、形見の奪還に成功したとして――由理恵がきいほるだあが外れ、落ちていることに違和感を持ったとしたら?
そして、そこから早々に足がつき、形見を安全な場所に隠す前に殴り込まれるかもしれない。
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