土方さんちの美味しいご飯

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すると、俺と同じ様に屈み込んでベッドの下を覗いていた優が、俺に目を合わせるや静かに――しかし、大きく頷いてみせる。 どうやら、優も俺と同じことを思ったらしい。 (きっと、この中に形見の指輪とやらと虎徹がある) すると、優が俺を手招きした。 そして、俺と優は作戦会議をする為、一旦部屋を離れる。 寝室からやや離れた客間に移動し、声を殺して優はあの箱がなんであるかを俺に説明してくれた。 「土方さん。あれは金庫と言って、中に大切な物を入れて保管しておく為の箱なんだ。錠と取っ手の様な物がついていただろう?錠を鍵を使って開けるだけじゃなく、取っ手を正しい数字に合わせて回さないと開かない様な仕組みになっているんだよ」 (な、なんてややこしい……) が、そこまでするということはあそこに優の大切な品々が隠されているというのはもう決まりと思っていいだろう。 俺は、優から借りた竹刀を構えるとこう提案してみた。 「あの箱、これでぶち壊したらダメなのか?」 「普通に不可能だし、ダメだから。第一、そんなことをしたらかなり大きい音が出るし、それで由理恵達を起こしてしまうだろう」 確かに。俺としたことが。 目的のものが見つかった高揚感で、少し熱くなっていた様だ。 俺はほんの少しだけ、周りが見えなくなりつつあった自分を反省した。
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