ラブアタック

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ラブアタック

 「リア充は爆発しろ!」  なんて、言葉があるようにカップルを見たら、嫉妬してしまう時。ありますよね。  でも、僕はもう40歳を超えてますし、妻と子供もおります。  だから最近は、イチャついているカップルを見ても、イラつくことは少ないです。  むしろ応援したいぐらいです。  手を繋いでいるカップルがいたら、邪魔にならいように歩道から降りて、イチャつくのを促します。  本当ならば、その時ニヤついて。   「まだヤッてないの?」    と聞きたいのですが、理性でどうにか抑えています。  とある繫華街の近くを、歩いていた時の話ですが。  僕が小さな交差点で、信号が変わるのを待っていたら、突然ドシンと誰かが僕にタックルしてきました。  いきなりのことだったので、僕は体勢を崩してしまいました。  まあ僕の身体が大きいので、邪魔だったのかもしれません。  それにしても、感じが悪いと思ったので、相手に視線を向けると。  若い男女のカップルでした。  かなり急いでいる様子で、早歩きでどこかへ向かって行きました。  「ごめんなさい」などの一言も頂けなかったので、僕は少し苛立ちました。  しかし、次の瞬間。僕の怒りはどこかへ消えてしまいます。  なぜなら、彼氏さんが彼女さんの腰というか、ほぼお尻あたりをガッシリと掴んで離さず。  ツカツカと音を立てて、ラブホへ向かって行ったからです。 (なるほどぉ~ そりゃ僕なんて目に入らないよね。でも、まだお昼の1時だよ?)  とほくそ笑むのですが。   (ちょっと待てよ? あの彼氏さん、このままホテルへ直行する気か?)  この瞬間、僕は思った。   (ダメダメ! 最高の時間は、最高の”アイテム”が必要だ!)  そう思った僕は急いで、カップルの元へ駆け寄る。 「あ、あの、すみません!?」 「うわっ! な、なんすか……」 「そのままホテルへ行く気ですか? 良くないですよ!」 「何がですか?」 「”ホテルの”を使うより、コンビニとかで買った方が絶対良いですって! 高くても”薄い方”がいいですよ!」 「……」  結果、僕は通報された。
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