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その時の事だった!‥‥‥ボクの傍らでいたクロが、突然、人の言葉を話し始めたのだった。それは、ボクの知っているクロちゃんから託された想いに、その時のボクにはそう聞こえたのだった。
「‥‥‥やっと、会えたネ。僕、もう一度、君と会いたかった。せめて、最期くらいは側にいて欲しかったものだから、僕は今、この子犬の姿を借りているんだ!」
「‥‥‥ボ、ボクは。ボクは!」
‥‥‥ボクもだよ。それは、ボクも同じ気持ちだったよ!‥‥‥あの時、ボクがもう少ししっかりしていれば、クロちゃんに、あんな惨い死に方をさせずに済んだかも知れないのだもの。。。
暫くすると、夕立ちも過ぎ去り、いつに無く眩しい太陽が天高く照り輝いていた。クロの目の色も何時もの緑色に戻っていて、深い欠伸ばかり続けていた。
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