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職人さんには、さっき連絡をしておいた。
勝手に入り込んで使用する訳にはいかない。
「おや、昼間とは顔つきが全然違うじゃないか」
「はい」
「あとは納得のいく、色が出るといいな」
「それが1番苦労します」
職人さんくらいになれば色も自由自在に扱えるんだろうけど、俺みたいに中途半端な創作家には、なかなか難しい。
「ケガだけは、しないでくれよ」
「はい」
これは毎回言われる言葉。
ちょっとした油断や傲りで、何が起こるか分からない。
集中力と注意力と根気が必要だ。
俺は、さっさとグラス作成に取り掛かった。
レンカの喜ぶ顔だけを想い浮かべ、袖で汗を拭いながら集中した。
結果、この日は納得いく色が出ず、明日以降へ持ち越しとなったが、今日の昼間までに作った物と比べると、明らかに良い出来だった。
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