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寝る時間になっても、まだ腹は苦しくて、2人で「苦しー」と言っては笑いあった。
そしてレンカが急に真剣な表情を向けてきて。
「ククルン、あのね……グラスっ、ありがとう」
「ん、喜んでくれたみたいで良かった」
「うん、で、あの」
「ん?」
「好き、…です。」
グラスが、って事だよな?変に勘違いしないよう、自分に言い聞かせる。
「だから、このままククルンんちに居てもいい?頑張って大人になるし、ククルンに好きになってもらえるように頑張るからっ」
「…そんなに頑張らなくてもいいよ」
レンカが最近、自分の事を”レン”って言わなくなったのは、もしかして今の発言に関係してんのかな。
さっきの”好き”はグラスじゃなくて、俺の事か…。いつの間にか両想いだったわけだ俺達は。
「俺は、とっくにレンカの事が、好きだよ?」
「え、…えっと、その好きっていうのは、どういう?」
「たぶん、レンカが想ってくれてるのと同じ”好き”かな?」
「ホントのホント?ククルンの彼女になれるって事?」
「なってくれますか?俺の彼女に」
俺は、そう言って優しくレンカを抱き寄せ、おでこにキスをした。
「ダメだよー、それは天に還る時に、してもらうやつなんだからぁ」
そう言いながらも、俺の背中に回した腕に少し力を込めてギュッと、抱きついてきたレンカのおでこに、再びキスをして俺も少しだけ力を強めギュッと抱き締めた。
迎えに来る天使のためじゃなく、いつでも見守ってくれる天使が来てくれる事を願って。
毎日、キミにエンジェルキッスを贈らせて…
【Fin】
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