1.変なオンナ

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俺はヤスと別れ、駅までの道のりを急ぐ。 終電は嫌いだ、酔っ払った人間がウジャウジャいるから。 「んー、どうしよう」 「えー、俺アブなそう?」 「違くってさ、朝まで一緒にいてくれるのかな?って、だっておニイさん彼女いそー」 「いないいないっ!朝まで?いいよ。俺は大歓迎だよっ」 さっき話題に出した女子高生が、自ら、お持ち帰りを希望してる最中に、出食わしてしまった。 俺には関係ない…俺には関係ない…。 頭では、そう思ってるのに、足が勝手に動き。 「あの、こいつ俺の妹なんで、さようなら」 「えっ!はぁ?」 男が、まだ何か言いかけてたが、俺は、女子高生の腕を掴んで歩き出した。 「ククルンは、いつから私の”お兄ちゃん”になったの?」 「なってない」 「でも、さっき言ってたよー?」 「言葉のアヤ。でも、ああいうのは、やめた方がいい」 「じゃあ、ククルン泊めてくれる?」 「…今日だけ、なら」
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