5.お互いの想い

15/20
前へ
/100ページ
次へ
さっきは、あのまま会話がなくなってしまって、そのまま時間が過ぎていった。 お風呂を借りて、飲み物をもらおうと冷蔵庫へ向かうと、リビングで珍しくソウちゃんが、お酒を飲んでいて。 テーブルには空き缶が数個と、空き瓶が置かれていた。 「ソウちゃん、飲みすぎじゃない?」 ソウちゃんが、こんなにお酒を飲むとこなんて見たのは、初めてだった。 「レンカも一緒に飲む?」 「レン、未成年だし」 「これなんてジュースみたいだから、こっちおいで?」 ソファーまで行って「お酒はいらないよ」とソウちゃんに、きちんと伝え冷蔵庫から持ってきてた水を飲んだ。 「なぁ、レンカ」 「ん?」 「結婚しよっか」 「え?」 「俺の事、好きって。俺のお嫁さんになるって言ってたよな?だから、結婚しよ、レンカ」 そう言ったソウちゃんは、私を抱きしめて、そのままソファーに倒れこんできた。 酔って眠くなったのかと思ったけど、急にソウちゃんの顔が近付いてきて、思わず顔を背けた。 「ソウちゃん、やめて?」そんな私の訴えなんて、耳に届いていないように、ソウちゃんは再び顔を近づけてくる。 「ソウちゃん、ヤダっ!」 涙目でソウちゃんを見たら、力が弱まり、その隙に抜け出し、充てがわれた部屋へ駆け込み部屋のカギを掛けた。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22人が本棚に入れています
本棚に追加