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大好きだったはずなのに。
ソウちゃんが、ソウちゃんじゃないみたいで。
まだ怖くて声が出せない。
「レンカ?…俺、夜まで出掛けてくるから。夕飯も俺は外で済ませる。本当に、ごめん」
部屋の前から足音が遠ざかり、暫くして玄関のドアが閉まる音がした。
それでも、すぐに部屋を出る気にはなれなくて、少しだけボーっとして、窓から見える空を眺める。
「いい天気だなぁ」
ククルンのお店がある場所は、ここより自然が多い所だから、野生の草花が近くに咲いていて、外の掃除をする時に眺めたり写真に撮ったりしていて。
それが毎日、楽しかった。
お花屋さんに売ってない花だって、凄く綺麗だって知れたし、お気にいりの小さい花もある。
ククルンに出会って、知らなかった世界を沢山知れた。
本当の”恋”も知れた…のに。
だけどククルンは、きっとまだアカネさんの事を想ってる。
それでもいい、私は傍にいれるだけでもいい。
ククルンに女性って思ってもらえるよう努力するし、そしていつか、きっと…。
振り向かせてみせるっ!
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