6.この先ずっと

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CLOSEの店に入り、2階へと上がる階段の下に立つと、いい匂いが鼻を擽った。 俺は慌てて階段を上がり、ドアを開ける。 「レン、カ?」 「勝手に入っちゃった。…ごめんね?」 「いや、いいけど。なんで」 「今日はハンバーグだよっ!まだ時間掛かるからククルンは、絵でも描いて待っててね」 狭いキッチンで、手際良く料理をするレンカを暫く見つめてた。 そして、スケッチブックを下に取りに行き、再び2階で鉛筆を手に取ってみると。 考えなくても、手が勝手に動く。 まず最初に描いたのは、レンカに似た天使の絵だった。 そして次々と、デザインが生まれる。 まるで、描けなかった分を埋めるかのように。 今なら、グラスも思った物が出来そうな気がする。
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